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那覇円満相続相談センター
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2020/2/7
相続税でよく問題になる名義預金を基礎から勉強したい方向け。
名義預金の概要から具体例、計算方法や対策方法まで解説しています。
名義預金って何なの?名義預金ってどうやって計算したらいいの?名義預金にならないようにする為にはどうしたらいいの?と思っている方は是非ご覧ください。
【この記事の執筆者】
名義預金は相続税実務において頻出する言葉ですが、日常生活では馴染みのない言葉だと思います。
名義預金とは、「お亡くなりになった方の名義の預金ではないものの、お亡くなりになった方の相続財産になってしまうお金」のことをいいます。
名義:お亡くなりになった方以外(ご家族様名義)
資金源:お亡くなりになった方
典型的な例だと、お父様がお孫様の為にお孫様名義で預金をしている場合が該当します。名義はお孫様のものですが、実態はお父様のお金ですよね。
通常相続税の申告において、被相続人様(お亡くなりになった方)の名義の財産しか相続財産にならないと考える方が多いため、名義預金は相続税申告において非常に漏れやすく、税務調査で指摘されやすい財産となります。
沖縄でも税務調査において、名義預金が問題になり本来支払う相続税に加えて、ペナルティ(追徴課税)を支払うケースが多くあります。
後日税務調査に関する記事を書きますので、もう少々お待ちください。
名義預金は、「ご家族様の名義を借りた実質的に被相続人様のお金」というところまで、分かっていただけた上で、なぜこのような取扱いになるのか解説いたします。
実質的に被相続人のものだからでしょ?と言われればその通りなのですが、ちゃんと根拠があります。
それは、民法762条の夫婦別産制という制度です。
民法762条1項で、夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産(夫婦の一方が単独で有する財産をいう。)とする。
と決められています。
分かりづらいので解説をすると、
夫婦が協力して頑張って貯めた財産なのは分かるのですが、結婚する前から持っていた財産や、結婚した後であっても自分の名義で取得した財産は、それぞれの単独名義の財産(特有財産)になりますよ。
ということですね。
少し違う例にはなりますが、所得税や住民税についても同じ考え方が採用されており、所得税の確定申告は夫婦の収入を合計して確定申告をするのではなく、旦那様は旦那様の収入に基づいて確定申告をして、奥様は奥様の収入に基づいて別々に確定申告をしますよね?
その為、お金に色はありませんが、旦那様の収入と奥様の収入が別々に財産が溜まっていくという考え方になっております。
考え方は分かったけど、夫婦で一緒に預金を管理しているからどこまでが旦那様の財産で、どこまでが奥様の財産か分からないよと思う方もいらっしゃると思います。
この後、名義預金の判定や具体例を掘り下げた後、簡単な計算方法を説明したいと思います。
細かい話になりますが、民法ではその人の単独の財産のことを特有財産と言いますが、相続税における名義預金の計算では、固有財産という言い方をする人が多いので、以下、固有財産と呼ばせていただきます。
それでは名義預金の具体例を解説していきます。
専業主婦である奥様は、被相続人である旦那様から生前に生活費として受け取ったお金を節約して貯めていました(いわゆるへそくりです)。頑張った甲斐があり、預金残高が1億円貯まりました。
判定のポイントに照らし合わせてみましょう。
・預金の名義が被相続人以外のものか➡配偶者名義
・その預金の資金源が被相続人かどうか➡被相続人の収入
・過去に贈与を受けていたか➡配偶者の場合、贈与の成立が非常に難しいです
・預金の管理・運用は誰か➡配偶者が一括で管理することも多い為、配偶者に関しては管理・運用は重視されません
結果として、配偶者名義の預金ではあるものの、資金源が被相続人の旦那様であり、過去に贈与が成立していたとは言えない為、実質的に被相続人の旦那様の財産ということになります。
特に配偶者の場合、夫婦間において妻が夫の財産を管理することが世の中には多い為、妻が預金を管理・運用しているからと言って簡単に贈与の成立を認めてしまうと、簡単に相続税逃れが出来てしまいます。
その為、配偶者の場合には贈与の成立が非常に難しくなっております。多数の判決や裁決が出ておりますので、ご興味のある方は調べていただければと思います。
被相続人であるお父様がお孫様の為に、お孫様名義の口座を作り預金をしていました。
しかし、お孫様に通帳やキャッシュカード等を渡してしまうと無駄遣いしてしまうのではないか、浪費家になってしまうのではないかと心配だった為、お孫様には知らせずお父様が通帳・キャッシュカード、印鑑を保管していました。
こちらも判定のポイントに照らし合わせて考えてみましょう。
・預金の名義が被相続人以外のものか➡お孫様名義
・その預金の資金源が被相続人かどうか➡被相続人の収入
・過去に贈与を受けていたか➡お孫様は知らない為、贈与は成立していない
・預金の管理・運用は誰か➡お父様が通帳や印鑑、キャッシュカードを保管しており、管理・運用は被相続人
結果として、この預金は、被相続人であるお父様がお孫様の名義を借りただけの、実態はお父様のお金(相続財産)ということになってしまいます。
専業主婦名義の預金や子供名義、孫名義の預金でも上記の事例の場合には、被相続人の相続財産になる訳ですが、その預金口座の全額が相続財産になるのでしょうか。
ここで重要なポイントがあります。
それは、名義預金の根拠と同じく民法762条の夫婦別産制です。
夫婦が結婚前から持っていた財産や結婚した後においても自分の名前で取得した財産は、その人の固有財産になる
したがって、専業主婦の方であっても、結婚前に働いていて貯金していた場合や、結婚時にご両親様から貰ったお金、結婚後に自分の名前で取得した財産があれば、その分は奥様の固有財産と認められることになります。
固有財産と認められるポイントは自分の名前で取得したかどうかです。
したがって、自分の名前で取得した次のような収入が固有財産として認められます。
そして上記の運用益です。
昔と今では貨幣価値が違ったり、昔は預金の利率も高かったことから運用益を計算するとかなりの金額になることもあります。
固有財産の金額を求めるのにノウハウが必要なものの、固有財産の金額さえ確定すれば、名義預金の計算は簡単です。奥様を前提として考えると下記の通りです。
奥様名義の預金残高 - 奥様の固有財産 = 被相続人様の財産(名義預金)
その為、仮に奥様名義の預金残高が1億円、奥様の固有財産が7,000万とすると被相続人様の相続財産(名義預金)は3,000万円となります。
生活費を節約して頑張って貯めた預金や、被相続人様が頑張って貯めた預金が名義預金と税務調査で指摘されないようにするためには、事前の準備が大切です。
名義だけ移すのではなく、きちんと贈与が成立していなければなりません。
生前贈与の際には、下記の点に注意する必要があります。
ご家族様への贈与で契約書を作ったり、銀行振込をするのは違和感があるかもしれません。
しかし、せっかく贈与をしたつもりでも税務調査で指摘され、贈与が無効になってしまうと意味がありません。
きちんと税務署に対し、これは贈与です!と言えるように事前準備が必要です。
ここまで名義預金について解説して来ましたが、実は相続税法や相続税基本通達、財産評価基本通達等で計算の仕方は決められていません。
したがって、過去の判決や実務上の慣習により計算する必要があります。
担当する税理士によって相続税額が異なると言われている理由の1つとして名義預金があげられるのは、その為です。
そして、ややこしいお話になるのですが、名義預金は税務調査の段階で、後出しでもっと固有財産があるから名義預金の評価を低くして欲しいというのは基本的に無理だと思ってください。
名義預金を過大な金額にして無駄な税金を支払わないようにする為には、相続税の申告書を提出する段階で、税務署が納得する固有財産の金額の計算、資料の準備、根拠のロジックを準備することが大事です。
後出しではなく、最初が肝心です。
名義預金にならないようにする為には、事前に対策が必要です。
そもそも論として、名義預金に該当するのかどうか、名義預金に該当したとして、どうやって対策をすればいいのか。
贈与をしたいけど、無駄遣いが心配な場合はどうしたら良いのか等検討すべき事項はたくさんあります。
また、名義預金の金額を適正に税務署に認めて貰う為にはノウハウが必要になります。
コラムという性質上、細かい要件等も全て記載している訳ではございません。
餅は餅屋と言う言葉がある通り、このような複雑な相続税申告・相続税対策は相続税専門の税理士にご依頼いただければと思います。
30代女性 Aさま
こちらが不安に思っていた部分も気軽に相談・質問できて胸のつかえがとれました。
40代男性 AKさま
些細なことでも親身に相談に乗っていただき、大変心強かったです。また、二次相続対策についても、分かりやすく説明していただき、周りに相続で困っている人がいたら、ぜひ石川先生を紹介させていただきたいと思います。
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